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FOR IMMEDIATE RELEASE

前沢知子

2004年11月13日(土)―12月25日(土)
12:00 - 18:00(月曜/日曜/祝日休み、但し12月25日は開廊)

Masataka Hayakawa Gallery
103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-17-13第2イノウエビル4F
tel: 03-5649-6396 fax: 03-5649-6399 email: gallery@masatakahayakawa.co.jp


このたび、上記の日程で、前沢知子の初期未発表作品による展示を行ないます。前沢は1972年長野県に生まれ、東京造形大学を卒業。2000年にはダイムラー・クライスラー・グループの『ガスコーニュ・ジャパニーズ・アート・スカラシップ』に選出されてフランスのモンフランカンにて滞在制作を行ない、2001年には水戸芸術館クリテリオムにて個展およびワークショップを開催しました。グループ展では、川崎市民ミュージアムの「現代写真の動向2001」や東京オペラシティアートギャラリーの「ガール!ガール!ガール!」展(2003)に参加するなど、国内や海外において特徴的な展示を重ねています。

前沢の初期作品の特徴は、私たちのもつ「見る」というメカニズムをフルに活用させるような独特な成り立ちにあります。たとえば、ギャラリーの壁面をミリ単位で凝視するという行為の果てに、突然、自分がすでに作品に取り巻かれていたことに気付かされる「無題」( 2000年)。壁面上の微細な凹凸を丹念にトレースした銀色のマーカーの痕跡によって、「何もない」壁面と見えたものが、一瞬にして「作品」に転化します。

前沢の作品はその後、「価値」や「交換」「制度」といった社会的な事象にも対象を広げ、独自の世界を展開してきましたが、その問題意識は初期から近作まで常に一貫しています。前沢にとって、それが物理的実体であるか社会的存在であるかは問題ではありません。とある認識が生まれ、世界が構成される。個々人にとってのその境界線が、一貫して作品のテーマとされてきたといえるでしょう。一見、作品自体はかすかな痕跡や示唆にとどまる場合であっても、それに反比例するかのような強い印象を見る者に与えるのは、それが人間の認識のしくみの根本に働きかけるからではないでしょうか。

初期の未発表作品によって構成される今回の展覧会は、前沢作品のこのような特質を、最良のエッセンスのかたちで認識させてくれるものとなっています。作品は「場」を操作するタイプのものではなく、単体で独立したもので、ストイックな表現の中にも、ある種の官能性を感じさせるものとなっています。

インタヴューや記事写真掲載のお申し込み、展示の詳細などに付きましてはギャラリーまでお問い合わせください。