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FOR IMMEDIATE RELEASE

黒川弘毅 展

Part I:〈ベンヌバード・シリーズより〉
2005年2月8日(火)-26日(土)
Part II:〈ヘカテ・シリーズより〉
2005年3月1日(火)-19日(土)
12:00 - 18:00(月曜/日曜/祝日休み)

Masataka Hayakawa Gallery
103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-17-13第2イノウエビル4F
tel: 03-5649-6396 fax: 03-5649-6399 email: gallery@masatakahayakawa.co.jp


「彫刻は量魂が始まる所から始められなければならない。量魂は所与のものとしてではなしに、人間の能力の産物として作られる必要がある。量魂が始まる地点は、宇宙がそれだけで存在するときに不可避に生じる欠陥として定められるだろう。人間が量魂を形成するのは、潜在的ではあるがゆるぎなく存在するこの欠陥を通して、自分がこれから見出そうとする対象に抱束されるがゆえにである」(黒川弘毅,1989)

このたび、上記の日程で黒川弘毅の個展を行ないます。

黒川は1952年東京に生まれ、77年東京造形大学を卒業。80年に初めての個展を開いて以来、現在まで一貫してブロンズによる彫刻を手掛けています。『もの派とポストもの派の展開』西武美術館(1987年)、『ミデルハイム野外彫刻展』(1989年)、『形象のはざまに』東京国立近代美術館(1992年)、『第8回インドトリエンナーレ』(1994年)、『第3回光州ビエンナーレ』(2000年)など、国内外で数多くの展覧会に参加出品してきました。

今回の展覧会では2会期に分け、初期の「ベンヌバード」シリーズと「ヘカテ」シリーズの中から代表的な作品を選りすぐり構成展示いたします。

この2つのシリーズは、鋳造の際にブロンズを流し込むために設けられた湯道を使用することによって制作されています。湯道で結実する量魂の在り様を予め予測し、偶然性を内に孕んだ世界の始まりに立ち会う作家の試みは、物質そのものに触発されまた物質に働きかけていく触覚的想像力に他なりません。彫刻の不在が囁かれ、視覚優位となりつつある昨今の現代美術のなかにあって「彫刻なるものの存在」を問いかけ、量魂形成に意識的な黒川の初期シリーズで構成される本展は「もの」を「かたちづくる」ことによって現れてくる彫刻本来が持つ性向を改めて検証することになるでしょう。

インタヴューや記事写真掲載のお申し込み、展示の詳細などにつきましてはギャラリーまでお問い合わせください。