■BOX 3-4
大森博之 ブロンズ 1994年 38×100×70mm ¥50,000-
大森博之の彫刻作品。大森は1954年栃木県に生まれ、79年に筑波大学大学院芸術研究科彫塑専攻を修了後、数多くの個展やグループ展で発表するなど精力的に活動している。手のひらにすっぽりとおさまり、指のかたちが残るこの作品は「背後の見えないもの」を問い続けてきた大森の思考が凝縮された逸品。身体の内と外が塊で再現されたかのような彫刻的な密度を感じさせる。これまで石膏と蝋・絵具の併用が多かった大森だが、最近は磁土の焼成にも着手。「芯棒もなく、粘土と対面して作るので、粘土が彫刻としての像を纏うことは手前反面の向こうが見えなくなること」(2004年)と、手法が変わっても「背後の見えないもの」を問う姿勢は一貫している。 |